地鎮祭の歴史の古くは、弥生時代の遺跡群からの出土品に、その名残が見られます。
高床式建物の柱から、勾玉が出土したというものです。これは土地や家屋の永久堅固であることを祈って、その印を据えた地鎮祭の古い形と言えるでしょう。
日本書紀にも地鎮祭の記述がみられます。持統天皇5年(691年)には、藤原京の造営に際して地鎮祭を行ったとの記載があります。
この出来事に限らず、古くから人が建築に際して自然の色々な現象をおそれ敬って、その土地の神様にお許しと加護を願うようになったのはごく自然な形といえます。
明治時代の地鎮祭は江戸時代から伝わる木造建築中心の儀式と、西欧から輸入された新しい工法に対応する儀式の模索の時代でもありました。
それまでにないレンガ造りの建築技法が流入した為です。